かつての里山は、常にたきぎや落ち葉を取っていたため、肥料となる有機物が供給されず、土はとてもやせていました。やせた山でも生えることができるのはマツです。秋になると、里山のキノコの王様マツタケが生え、当時は毎日マツタケづくしで見るのもいやになったそうです。今ではそのマツもマツクイムシという害虫にやられ、ほとんど枯れてしまいました。マツタケづくしも夢のまた夢です。
やまんばの会は、枯れたマツを整理したり、ヤブになった森の間伐を行っていますが、太い幹の部分は燃料に活用します。また、細い枝はチッパーという機械で細かく砕き、チップにします。このチップを森のなかの歩道にまくと、クッションの効いたとても歩き心地のいい道になるのです。
歩道にまいたチップが発酵するころ、道ばたには様々なキノコが顔を出します。変わったキノコを発見しましたよ。オレンジ色した3本のイカの足のようなキノコです。名前はサンコタケといいます。強烈な臭いを放ち、ハエを集めていました。ハエに菌を運んでもらう作戦のようです。無論、食べることはできません。