元気な森とはどんな森なのでしょうか。うっそうとした暗い森を切り開き、明るい森に変えていくと森が少しずつ甦ってきます。このプロセスにはたくさんの人手がかかります。でも、単にきれいにするために、掃除するような気持ちでは長くは続かないのです。あるいは義務感から出発しても同じことです。
やまんばの会では、自分のやりたいことをこの森に持ち込んでほしいと考えています。私達は昔のような暮らしに戻ることはできませんが、新しい価値を見いだし、楽しみながら里山を暮らしに取り戻すことがこの森を再生させることになると考えているのです。その一例として、カブトムシがたくさんいる森にしたいというアイデアから、カブトムシの寝床づくりを行っています。広葉樹の落ち葉を集め、薪にならない枝をチッパーという機械で細かく砕いたものを混ぜ腐葉土をつくります。
不思議なことに、森では大量の落ち葉や枯れ枝が発生するのに、ゴミであふれかえることはありません。微生物の力によって、土に還っていくからです。ここにカブトムシが卵を産み付けにやってくるのです。やりたいことを行うことで結果的に森がとても美しくなっていくというわけです。 やがて、カブトムシを探しに子どもたちもたくさんやってきます。人にとっても心地よい森になると、これまで人の姿さえ見えなかった森もにぎわいをみせてくれます。