やまんばの会では、次の世代に私達の活動を伝えるため、2005年からモッコクラブをスタートさせました。現在、小学4年生から6年生まで15名の子どもたちが年間を通じて活動しています。毎月第4日曜日に、間伐した木や枝、竹、土などで、ツリーハウスや秘密基地づくりなどに取り組んでいます。
与えられたメニューではなく、子どもたちが自ら考え、意見を交わしながら描いたイメージを実現していきます。先月号で紹介した「やまんばの森学園」をより深めたプログラムで、子どもたちの主体性を重視しています。重いツルハシで汗だくになって穴を掘る子、ノコギリで大きな木を倒しては満足そうに笑っている子、真剣な眼差しで釘を打っている子がいます。バーチャルゲームではないモノづくりは、創意工夫と想像力が必要で、頭脳を鍛え、かつての里山の生活を体でつかんでいきます。またグループでの議論はコミュニケーション能力を高めます。夢中になって造る遊びには完成がありませんが、夕方にはとても満足げな表情で帰って行きます。
様々な自然の恵みを使って創作するモッコクラブは、次世代の子どもたちが里山に新しい価値を見いだす実験なのです。スタッフたちは、自然の守り方を伝えることよりも、この森を好きになることで、自発的に森を守りたいと思うようになればと願ってサポートを続けています。