やまんばの会では、私たちが行う森林環境学習のプログラムを「やまんばの森学園」と呼んでいます。ガールスカウトや子ども会、公民館活動で参加する子どもたちなどを受け入れる形で、自然体験や環境学習のサポートをしています。その一日をご紹介します。午前中は、里山の森が今どうなっているかをよく観察します。よく手入れされた森と放置された森の中に入っていき、地面の様子、草の生え方、空の明るさなどの違いを比較します。
その後、暗い森を実際に間伐します。ほとんどの子どもたちにとって、立っている木を伐る経験は初めてのようです。うまく伐るには、倒す方向に木を押し続けるなどグループで力を合わせる大切さも学びます。ノコギリを使って木を伐り、1時間ほどして汗だくになる頃には、少し森が明るくなったことを実感できるのです。午後になると、木の枝や木の実を使ったクラフト、ネイチャーゲーム、ザリガニ釣りなど、子どもたちは思い思いに楽しい時間を過ごします。
その日のプログロラムの最後には「ふりかえり」を行います。子どもたちに「木を伐ることは自然を破壊することですか」と問いかけます。「生き物の命を絶やすことはいけないこと」と答える子もいれば、「森が明るくなると虫がたくさんやってくる」と意見を出す子もいます。私たちは、その地域の人々が森とどう関わってきたかという歴史をふり かえり、里山と原生林とでは自然の守り方が異なること。暗い森に対し、明るい森ではエサになる草がたくさん生え、それを求めて虫や動物がどんどん増えていくこと、そのために適度に木を伐ることが里山の自然を守ることになることを伝えるのです。