やまんばの里山だより

vol.8森を学ぶ、森で学ぶ

写真:タラノメ

里山の春を食べる・めでる

春の明るい森では、タラノキやカラスザンショといったトゲのある木が一番最初にパイオニアとして生えてきます。これらは、暗い森の土のなかで、空が明るくなるのをじっと待っており、明るくなったとたんに一斉に出始めるのです。そんなパワーを秘めたタラノメの天ぷらは最高のご馳走です。

写真:新緑のやまんばの森

春の森には、タラノメ以外にもおいしいものがあります。落葉広葉樹のタカノツメやコシアブラの新芽です。葉の大きさが5cm程度までのやわらかな新芽をつみ取って、天ぷらにしたりおひたしにすると、口の中に春の香りがぱーっと広がります。ほろ苦いけれど、体中に春がしみこんできて、自然からちからをもらったような感じがします。

写真:やまんばの森のソメイヨシノ

里山ではソメイヨシノとヤマザクラの両方の桜をみることができます。この2つの桜には大きな違いがあります。ソメイヨシノは人が植えたものがほとんどですが、ヤマザクラは野生です。また、4月早々に咲くソメイヨシノは花が散ったあとに鮮やかな緑の新葉が出ます。一方、しばらく遅れて咲きはじめるヤマザクラは、花が咲くのと同時に赤茶けた若葉が出るのが特徴です。里山では、2つの桜でおよそ半月に渡ってゆっくりと花見を楽しむことができますよ。

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