夏が近づくと、道ばたの明るいところで野アザミが一斉に花をひらきます。赤紫の花にはクロアゲハが盛んに蜜を吸いにきます。見るだけでなく、野アザミはおいしい食材です。取るときには、トゲがあるので注意します。アクを抜き、茎を刻んで油でいため、きんぴらにするのが一般的。道の駅でも売られています。
森を歩いていて、独特の青臭いにおいがすると、足下にドクダミがはえていることに気づきます。ドクダミは薬草として今でも使われています。天日で干して、乾かしたものを煎じて飲みます。とてもにがいのですが、便秘、利尿作用、動脈硬化の予防によく効くとのこと。夏の季節には、思いのほか、愛らしい花をつけるのです。
森のなかで、ヒグラシが幼虫から成虫になるのを偶然発見しました。懸命に体を伸ばして殻の中からゆっくりと出てきます。ヒグラシは、杉林にもたくさんいるセミです。夕方近くなると、カナカナカナっと、寂しげな声で鳴きます。ヒグラシの鳴き声で、子どもたちはそろそろ家に帰る時間であることを知ります。でも、雨が降りそうになって、空が暗くなると鳴き始めるので勘違いしますが、お家に帰るサインには違いありません。