やまんばの里に到着するとたくさんの木々。おいしい空気と、さわやかな風がとても心地よく迎えてくれていました。
自己紹介とスタッフあいさつの後は、木片のブローチで名札作り。みなさん思い思いの色ペンで、楽しそうに名札を作っています。
廣瀬さん指導の下、ストレッチで体をほぐします。体のあちこちを伸ばしながら、里山の空気をたくさんすって、森にごあいさつ。
早速里山散策へと向かいます。
まずは杉やヒノキの森で手入れをされている森と手入れをされていない森の違いを見比べます。
手入れをされている人工林は、下草が元気に育っています。逆に手入れをされていない人工林には下草の姿がなく、土がむき出しの状態です。
場所を移して、雑木林も比べてみました。
手入れをされている雑木林は、開放的で風も通りぬけるなんとも気持ちがよい空間。
変わって手入れをされていない雑木林は地表に光が届かず、竹も覆いかぶさりなんとも居心地が悪い。
こうして実際に中に入って比べてみると、森の違いがはっきりと体感できます。 実際に手入れをされていない雑木林の中で、周りの様子を見ながら手入れがされないことの危険をみなさんと一緒に考えてみました。
やまんばの会の子ども会員たちの活動の場である「モッコの谷」も見学。途中どんぐりやきのこも発見。子どもたちは手作り遊具に夢中で順番待ちの列が出来ました。表情がきらきらと輝きます。
今回の体験の楽しみの一つは、釜で焼き上げるパンやピザ。 みなさんにお昼の準備を手伝ってもらって、おいしいお昼が出来上がりました。 釜で焼いたパンとピザは格別!どんどん手がのびます。
食事のあとは子どもたちを中心にザリガニつりに挑戦。えさのスルメにザリガニが群がり、入れ食い状態。あっというまにタライにいっぱいのザリガニを釣り上げました。
午後からは、いよいよ里山の保全活動です。今回もみなさんにのこぎりを使って手で木を伐っていただきました。 森の健康を保つために「生きている木を伐る」ということを実感していただきたかったからです。
白い目印が付いた木を、力をあわせて切っていきます。木を伐ると空が広がり、地表に光が届くようになりました。明るくなった森には命が芽生えます。木から落ちたどんぐりも芽をだし、切株には新たな命が宿ります。足元の小さな芽がすくすくと育つ環境が整いました。
倒した木をさらに2mほどに切り分け、自分たちの手で森の外に搬出していきます。この木は、薪やチップ(木片)として、燃料や古墳の保全などに使うことで、森の再生サイクルを無理なく回していきます。
今回の伐採で伐った木は十数本。薪ストーブに使うと一世帯で使う1週間分。 空の面積でいうと2000畳分となりました。
場所を移し、やまんばの家で森が変化してしまった理由を学び、自然の守り方を考えました。
スライドを使った廣瀬さんのお話に、「里山のーと」を手にみなさん真剣に聞き入っていました。ノートいっぱいにメモをとる方の姿もあり、質問コーナーでは「どのくらいの面積の森が手入れをされずに放置されているのか?」などの具体的な質問も飛び出し、みなさん森を守り、育てる事に大変興味を持たれたようでした。
今回の里山体験で、まちで森を守り、育てるにはどうしたらよいのか? みなさまの中に小さな「気づき」の芽が芽吹いた1日となったのではないでしょうか?
楽しませてくれたザリガニ達を池に返して、そろそろやまんばの森ともお別れです。再びバスに乗り込み、3時半頃JR米原駅に到着。解散となりました。
森を元気にするためにやってきたやまんばの森ですが、帰るころには、自分が元気になったような、そんな一日でした。
廣瀬さん、やまんばの会のみなさん、本当にありがとうございました!